さて、いよいよ男子最終G。

六分間練習が始まる時の会場の熱気は凄かった。

歓声で何がなにやらわからないくらい。
SPと違って、初めから次々とジャンプを跳んでいた羽生君ですが、
肝心の4回転がなかなかきれいに決まらず、何度もトライしてたものの
結局クリーンなジャンプがあまりないまま六分間練習が終わってしまいました。
トップバッターのアリエフ君は、SPでいい演技が出来てちょっと気負ったか。
ジャンプの転倒が2回あって順位を落としてしまったけど
私はアリエフ君の音楽の感性が好き。
小手先ではなく、全身で音楽を表現していて、手の先から溢れてくる感じ。
ジャンプも決まったらランディングきれいだし、正統派のロシア男子として
これからの成長を本当に楽しみにしているのです。
しかし、ロシア、もといOARの応援はホントに凄かった。。
そしてボーヤン。
ボーヤンの4Lzは芸術だ。美技という言葉が相応しい。
2年前のボーヤンは、細っこいマッチ棒のような少年が、
コマみたいにクルクルとジャンプを軽々跳んでるなという印象だったけども
五輪のボーヤンは、体型もしっかりしてきたせいか、
高さも幅もある迫力のあるジャンプを跳んで、
スターウォーズの重厚な音楽に負けない力強い演技でした。
終わってガッツポーズ、そしてキスクラの涙に胸が熱くなりました。
パトリック。
彼のスケーティングは、バイオリンやチェロにおけるバッハの無伴奏のようだ。
スケーティングに始まり、スケーティングに終わる。
基礎の大事さなんて誰もがわかっているけれど
それをここまで究極に磨き上げてきたパトリックのスケートは、
高難度ジャンプの時代にあっても他の追随を許さない。
パトリックの存在が、スケート界に大きな意味をもっていたのは
私などが言うまでもないと思うけれども。
極限にまで装飾を抑え、パトリックのスケーティングを堪能できるハレルヤは
五輪に相応しいすばらしいプログラムでした。
そして羽生君。
六分間練習では結局のところ調子どうなのという状態でしたが
それでも彼がコールされた時の会場の熱気は
歓声というよりむしろ轟音のようでした。
それが、SPの時以上にすごかったので、羽生君がスタート位置につき、また静寂が戻った時は
もう自分の耳の奥でどくんどくんという音が聞こえるくらいでした。

SPが素晴らしい出来だったこともあり
FSは、もうとにかく滑りきってくれればいいと祈り見守る。
会場が息を潜めて見守っている、異様な熱気と静寂の中
太鼓と笛の音色が響き渡り、まさに能が始まる前のようだった。
静かというよりは、厳粛な雰囲気。

冒頭の4Sは、スローモーションのように美しい放物線を描いて降りたのが見えました。
その瞬間、水を打ったような静けさから突然、
まるで甲子園球場でホームランが打たれた時のように会場の空気が爆発しました。
そして次々と4T、3Fが決まっていくと、もう会場は興奮の渦。

大好きな中盤のステップ、あの摺り足のようなところがちゃんと残ってて嬉しいなとか
両肘を90℃に上げてクルクルっと回るツイズルのところ大好きとか
普段なら堪能しながら思うところだが、今回は緊張して手に汗を握ったままだ。
そして中盤以降のこれまたきれいな4Sコンボが決まったあとの
4Tのステップアウト。
ここもまたスローモーションのように、跳んで、回って、降りかけて
おっと~~~~からの堪え、までの流れが、もう1分くらいあるように長く感じた。
あの時、会場の人たちに入った肩の力で、きっとジャンプ転倒を耐えられたんじゃないかと思うくらい
祈りが満ちていた。
言葉を華美に装飾しているのではなく、私が現地にいて感じた雰囲気だ。
そして直後の3A3連コンボにまた度肝を抜かれたまま、
最後のルッツ。
あー最後に転倒か、と正直思ったくらい、かなり危なかった。
それでも堪えた。
その瞬間、会場に安堵の声があがり、そのままドラマティックなコレオへ突入。
もうここら辺に来たら音楽はほとんど歓声に消されて聞こえなかった。
バン!と最後のポーズを取るのを待つ前に
次々とフライングのスタオベが上がるのが見えた。
何が起こったのかよくわからないくらいくらいの興奮の渦。
点数が出て、暫定1位の表示が出たあとまでそれは続いた。

五輪というのは、世界各国の選手達が集って競う大会だ。
だけど、この時は会場は完全に羽生君一色だった。
数列後ろにいた英語圏の中年男性は
「ユズルハニュー フリープログラム セイメイ」と何やら熱くツレに語っていた。
ツレの後輩が見てみてと教えてくれたのだが、彼女の隣に座っていたアメリカのカップルの女の子は、
ネイルがSEIMEIの衣装のモチーフで、演技後めちゃくちゃ大喜びしていたそうだ。
演技後に階段を駆け下りて次々とプーさんを投げ入れていた中国の女の子たちは、
背負ったリュックにもぷーさんがぶら下がっていた。
ネットやニュースで見たり聞いたりしていても、
正直日本人ファンがそう思ってるだけじゃないのかと思っていたが
羽生君本当に世界中にファンがいるんだなと現地で実感させられた。
このSEIMEIというプログラムが本当に大好きだったので
五輪という特別な大会で、現地で生で見られたことが何より嬉しかったが
さらに、またそういう会場の熱気の中で世界のファンたちと心が1つになったことも含め
一生忘れられない経験となった。

六分間練習が始まる時の会場の熱気は凄かった。

歓声で何がなにやらわからないくらい。
SPと違って、初めから次々とジャンプを跳んでいた羽生君ですが、
肝心の4回転がなかなかきれいに決まらず、何度もトライしてたものの
結局クリーンなジャンプがあまりないまま六分間練習が終わってしまいました。
トップバッターのアリエフ君は、SPでいい演技が出来てちょっと気負ったか。
ジャンプの転倒が2回あって順位を落としてしまったけど
私はアリエフ君の音楽の感性が好き。
小手先ではなく、全身で音楽を表現していて、手の先から溢れてくる感じ。
ジャンプも決まったらランディングきれいだし、正統派のロシア男子として
これからの成長を本当に楽しみにしているのです。
しかし、ロシア、もといOARの応援はホントに凄かった。。
そしてボーヤン。
ボーヤンの4Lzは芸術だ。美技という言葉が相応しい。
2年前のボーヤンは、細っこいマッチ棒のような少年が、
コマみたいにクルクルとジャンプを軽々跳んでるなという印象だったけども
五輪のボーヤンは、体型もしっかりしてきたせいか、
高さも幅もある迫力のあるジャンプを跳んで、
スターウォーズの重厚な音楽に負けない力強い演技でした。
終わってガッツポーズ、そしてキスクラの涙に胸が熱くなりました。
パトリック。
彼のスケーティングは、バイオリンやチェロにおけるバッハの無伴奏のようだ。
スケーティングに始まり、スケーティングに終わる。
基礎の大事さなんて誰もがわかっているけれど
それをここまで究極に磨き上げてきたパトリックのスケートは、
高難度ジャンプの時代にあっても他の追随を許さない。
パトリックの存在が、スケート界に大きな意味をもっていたのは
私などが言うまでもないと思うけれども。
極限にまで装飾を抑え、パトリックのスケーティングを堪能できるハレルヤは
五輪に相応しいすばらしいプログラムでした。
そして羽生君。
六分間練習では結局のところ調子どうなのという状態でしたが
それでも彼がコールされた時の会場の熱気は
歓声というよりむしろ轟音のようでした。
それが、SPの時以上にすごかったので、羽生君がスタート位置につき、また静寂が戻った時は
もう自分の耳の奥でどくんどくんという音が聞こえるくらいでした。

SPが素晴らしい出来だったこともあり
FSは、もうとにかく滑りきってくれればいいと祈り見守る。
会場が息を潜めて見守っている、異様な熱気と静寂の中
太鼓と笛の音色が響き渡り、まさに能が始まる前のようだった。
静かというよりは、厳粛な雰囲気。

冒頭の4Sは、スローモーションのように美しい放物線を描いて降りたのが見えました。
その瞬間、水を打ったような静けさから突然、
まるで甲子園球場でホームランが打たれた時のように会場の空気が爆発しました。
そして次々と4T、3Fが決まっていくと、もう会場は興奮の渦。

大好きな中盤のステップ、あの摺り足のようなところがちゃんと残ってて嬉しいなとか
両肘を90℃に上げてクルクルっと回るツイズルのところ大好きとか
普段なら堪能しながら思うところだが、今回は緊張して手に汗を握ったままだ。
そして中盤以降のこれまたきれいな4Sコンボが決まったあとの
4Tのステップアウト。
ここもまたスローモーションのように、跳んで、回って、降りかけて
おっと~~~~からの堪え、までの流れが、もう1分くらいあるように長く感じた。
あの時、会場の人たちに入った肩の力で、きっとジャンプ転倒を耐えられたんじゃないかと思うくらい
祈りが満ちていた。
言葉を華美に装飾しているのではなく、私が現地にいて感じた雰囲気だ。
そして直後の3A3連コンボにまた度肝を抜かれたまま、
最後のルッツ。
あー最後に転倒か、と正直思ったくらい、かなり危なかった。
それでも堪えた。
その瞬間、会場に安堵の声があがり、そのままドラマティックなコレオへ突入。
もうここら辺に来たら音楽はほとんど歓声に消されて聞こえなかった。
バン!と最後のポーズを取るのを待つ前に
次々とフライングのスタオベが上がるのが見えた。
何が起こったのかよくわからないくらいくらいの興奮の渦。
点数が出て、暫定1位の表示が出たあとまでそれは続いた。

五輪というのは、世界各国の選手達が集って競う大会だ。
だけど、この時は会場は完全に羽生君一色だった。
数列後ろにいた英語圏の中年男性は
「ユズルハニュー フリープログラム セイメイ」と何やら熱くツレに語っていた。
ツレの後輩が見てみてと教えてくれたのだが、彼女の隣に座っていたアメリカのカップルの女の子は、
ネイルがSEIMEIの衣装のモチーフで、演技後めちゃくちゃ大喜びしていたそうだ。
演技後に階段を駆け下りて次々とプーさんを投げ入れていた中国の女の子たちは、
背負ったリュックにもぷーさんがぶら下がっていた。
ネットやニュースで見たり聞いたりしていても、
正直日本人ファンがそう思ってるだけじゃないのかと思っていたが
羽生君本当に世界中にファンがいるんだなと現地で実感させられた。
このSEIMEIというプログラムが本当に大好きだったので
五輪という特別な大会で、現地で生で見られたことが何より嬉しかったが
さらに、またそういう会場の熱気の中で世界のファンたちと心が1つになったことも含め
一生忘れられない経験となった。
04/06 (Fri) 23:30