今日は子どもの預かり保育にお願いして歌劇を観る予定だったのですが、チケットが入手出来ず、思わぬ時間が出来ました。
買い物でもしようかと思ったのですが、ふと昨夜思い立って映画を観てきました。
「マルティニークからの祈り」 (2013年 韓国)
原題は「Way back home (家に帰る道)」
見終わったあと、なるほどという原題だ。
貧しくても家族で慎ましく過ごしていた主婦が
夫が保証人になった借金の負債によりさらに苦しくなった家計を救うため
金の原石を運ぶだけ、という儲け話に乗ってしまう。
しかし、中味は実は麻薬。税関を抜けると突然逮捕され、刑務所に入れられてしまう。
最初はすぐに出られると思っていたが
大使館や国はなかなか動いてくれず収監期間が何度も延長され、
ついにはパリからカリブ海のマルティニーク島まで移送されてしまった。
麻薬とは知らなかった。小さな娘と夫のいる家に帰りたい。
そう叫ぶ彼女の声は何度も無視されてしまう。
残された夫も、妻を救うべくあちこちを奔走するが・・・。
実話を元にした話とあって、常に厳しい現実を突きつけられる辛い展開の映画ではあったが
主演のチョン・ドヨンの演技が素晴らしかった。
声高に自分の無罪を主張するわけではなく、控えめに
自分の置かれた状況を受け入れつつも必死でもがく様を見事に演じている。
動かない大使館、動かない領事にやきもきしつつ
ダメ夫だったコ・スが必死にあちこちに訴える様や
そんな状況であちこちに預けられながら母を恋しがる娘ヘリンに涙する。
中盤から最後までずっと泣きっぱなしだったが
ラストの電話の、さもありなんというエピソードにちょっと笑った。
今TVドラマでやってる「ペテロの葬列」も同じようなテーマだと思うが
普通の人が突然犯罪に巻き込まれ、被害者であるはずが犯罪者になっているという事態は
私たちにも起こりうることだ。
海外旅行に行ったら荷物に麻薬が入っていた
儲け話だと気軽に請け負ったら詐欺の片棒をついでいた
そして、そういう犯罪は現実でも実際によく目にする。
しかもそういう犯罪は下っ端が捕まっても結局大元は捕まらず、犯罪は繰り返されるのだ。
ただ、同じ事件を扱っても、
私は無実だ!巨悪な悪と戦う!というドラマ仕立ての多い西洋の映画と違い
感覚が似てるのだろうか、韓国映画だとしっくりくる。
終わりの方で、彼女は、
自分のお金が欲しいという欲をもった罪
無知であった罪
を自覚し、さらに家族へも罪を持った、と淡々と述べた。
この彼女の述べた家族への罪というのがとても心に染みた。
日常に潜んでいる悪にいかに取り込まれないようにするか
その難しさ、その恐ろしさを再確認させられた。
とてもよい映画だったのに、平日の朝の上映というのもあってか
私を含めて3人きり。
しかし私の後ろに座っていたおばさまは、終わって涙を拭きながら
「”当たり”でしたね」と言って帰られた。
私も同じ思いを抱きながら、映画館を出た。
帰りに買い物でもしようかなと思っていたが、何となくその気になれず
お気に入りの店に入ってお茶を飲みながら
いろいろ思い出しながらゆっくり感慨に耽る、平日の贅沢な時間であった。
買い物でもしようかと思ったのですが、ふと昨夜思い立って映画を観てきました。
「マルティニークからの祈り」 (2013年 韓国)
原題は「Way back home (家に帰る道)」
見終わったあと、なるほどという原題だ。
貧しくても家族で慎ましく過ごしていた主婦が
夫が保証人になった借金の負債によりさらに苦しくなった家計を救うため
金の原石を運ぶだけ、という儲け話に乗ってしまう。
しかし、中味は実は麻薬。税関を抜けると突然逮捕され、刑務所に入れられてしまう。
最初はすぐに出られると思っていたが
大使館や国はなかなか動いてくれず収監期間が何度も延長され、
ついにはパリからカリブ海のマルティニーク島まで移送されてしまった。
麻薬とは知らなかった。小さな娘と夫のいる家に帰りたい。
そう叫ぶ彼女の声は何度も無視されてしまう。
残された夫も、妻を救うべくあちこちを奔走するが・・・。
実話を元にした話とあって、常に厳しい現実を突きつけられる辛い展開の映画ではあったが
主演のチョン・ドヨンの演技が素晴らしかった。
声高に自分の無罪を主張するわけではなく、控えめに
自分の置かれた状況を受け入れつつも必死でもがく様を見事に演じている。
動かない大使館、動かない領事にやきもきしつつ
ダメ夫だったコ・スが必死にあちこちに訴える様や
そんな状況であちこちに預けられながら母を恋しがる娘ヘリンに涙する。
中盤から最後までずっと泣きっぱなしだったが
ラストの電話の、さもありなんというエピソードにちょっと笑った。
今TVドラマでやってる「ペテロの葬列」も同じようなテーマだと思うが
普通の人が突然犯罪に巻き込まれ、被害者であるはずが犯罪者になっているという事態は
私たちにも起こりうることだ。
海外旅行に行ったら荷物に麻薬が入っていた
儲け話だと気軽に請け負ったら詐欺の片棒をついでいた
そして、そういう犯罪は現実でも実際によく目にする。
しかもそういう犯罪は下っ端が捕まっても結局大元は捕まらず、犯罪は繰り返されるのだ。
ただ、同じ事件を扱っても、
私は無実だ!巨悪な悪と戦う!というドラマ仕立ての多い西洋の映画と違い
感覚が似てるのだろうか、韓国映画だとしっくりくる。
終わりの方で、彼女は、
自分のお金が欲しいという欲をもった罪
無知であった罪
を自覚し、さらに家族へも罪を持った、と淡々と述べた。
この彼女の述べた家族への罪というのがとても心に染みた。
日常に潜んでいる悪にいかに取り込まれないようにするか
その難しさ、その恐ろしさを再確認させられた。
とてもよい映画だったのに、平日の朝の上映というのもあってか
私を含めて3人きり。
しかし私の後ろに座っていたおばさまは、終わって涙を拭きながら
「”当たり”でしたね」と言って帰られた。
私も同じ思いを抱きながら、映画館を出た。
帰りに買い物でもしようかなと思っていたが、何となくその気になれず
お気に入りの店に入ってお茶を飲みながら
いろいろ思い出しながらゆっくり感慨に耽る、平日の贅沢な時間であった。
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09/11 (Thu) 15:25