![]() | 氷上の光と影 知られざるフィギュアスケート 田村 明子 (2007/02/24) 新潮社 この商品の詳細を見る |
買ったもののしばらく忙しくて積読本だったのですが
読み出したら一気でした。
目からうろこというか、今まで何となくしかわかっていなかった部分が
かなり明確になりました。
田村さんの文はスピードがあって、それでいて丁寧で読みやすいです。
新採点方式導入までの経緯、その裏側なども実際のインタビューに基づいてありますし、個人的な推測に過ぎない部分はほとんどなく、結局謎のままの出来事はそうキチンと書いてあり、感情的なところがないので読んだ後も清々しい。
恥ずかしながら、新採点方式下におけるジャッジとスペシャリストの関係って、本書を読むまではっきり知らなかったのです。
なるほど、点数が出るまで時間がかかってる時はこういう状態なのだな、などなどいろいろ納得出来ました。
興味深いのは、ジョニーがどう新採点方式に対してのインタビュー。
「この採点方式は、フィギュアスケートの美をすっかり奪ってしまいました。」
以下、技の難易度と美しさが共存しないことを嘆いた発言が引用されていました。
これはどこかで私も読んだ覚えがあるのですが、この本の流れの中でこれを読み直すと、また別の納得がいきました。
彼は本当に「美」の追求者なんだなぁ。
確かに背中を曲げてやる最近のスピンって美しくないもん。
こないだのステファンのスピンを見てしみじみ思いました。
スピードがあってきれいな孤をを描くあのスピン、本当に美しかった。
スケートがうまい、というのがどういうことかとか
新採点方式によってフギュアスケート界にどんな影響があったのかとか
ジャッジというのが実はとても大変な無償の名誉職であるとか
いろいろなテーマ毎にはっとさせられる一冊でした。
面白かった。
ジョニーも新しいPGが決まったということで楽しみやら不安やら。
でも、生まれ変わった彼を見ることが出来るだろうと願って
夏を乗り切ろうと思います。
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07/16 (Mon) 22:35